これを読めば、絶叫まちがいなしだ。
そして、あまりの現実に戦慄し、街なかにおけるネコの存在理由(レゾン・デートル raison d'être)に同意せざるをえなくなるだろう。もう、たんなる好き嫌いのレベルのお話ではない。もう、ネコを活用するほかはないのだということが、分かるようになる。
ネズミは、ネコがどうこうという他愛のないお話のレベルではなく、比較を絶する恐ろしさであることを認識すべきである。中世ヨーロッパは、これによって壊滅的な人口減となり、千年にわたって文明が停滞した。たとえば、ヘルマン・ヘッセの文学作品「知と愛」に、このペストによる凄惨な社会崩壊が描写されている。
ネズミはこんなに活動している
ネズミの活動を統計的に話してみても、なんらの説得力はない。そんなものは他で調べてほしい。ここでは筆者が自分で見聞したことを書いておく。私事ではあるが、筆者は視力、とりわけ動体視力の数値が異様に高い。満月のとき、月面にウサギさんがいて、その長く垂れ下がったミミのなかに「耳あか」があるのも「肉眼」で見える。 だから見たくもないものでも見えてしまうことが少なくない。
東京23区内、道路一面にヒタヒタと
本稿を書いたのは、これを目撃したからだ。早朝に近い深夜、まだ暗い。裏通りの、車両が両方向に通れる舗装道。車、人通りとも、皆無。遠くから、水か何かがわずかにヒタヒタと波打って流れてくる。雨でもないのに、なぜ? 水道管の破裂か? さらに、音もなく近づいてくる。そしてよく見ると、これがネズミの大群! 道路一面に、数十匹、あるいは百匹を超えているか。ホラー映画のような異様な光景! ゾッとして総毛立ち足がすくむ。悲鳴をあげたいほどの恐怖感だ。
東京都心「白山通り」繁華街の歩道
夕方、もう暗い。歩行者が多数、歩いているほんの1メートルほど離れた暗がりを、十数匹ほどのネズミが飛び跳ねながら、歩行者と並行して移動している。近くの通行人はだれ一人として、まったく気付かない。飛び跳ねたとき、尻尾が異様に長く、また、丸く見えたのが印象的。セルフのガソリンスタンドで
深夜の都心近い店、まったくの無人。27時ころか。給油のため車外に出た。と、背後を何かが通りすぎる気配が。振り返ると、機材置場らしい所から何かが次々飛び出してくる。なんと、ネコほどもある大型のネズミ。ほんの数メートル先。目撃できたのは3、4匹ほど。尻尾が異様に長い。「こんな所で何をエサに?」と、後に店員さんに聞くと「ゴミの中の食品、それに古タイヤをかじっているのか」との説明だった。都会の食料品の大規模店は
営業時間を過ぎれば夜中など、ネズミの天下だ。彼らをさえぎるものは、なにもない。また、近隣にビルの建替えなどがあると、大挙して転居してくるという。そんなお店で、われわれはノンキに、お買い物をしているのだ。さりとて、買わないわけにもいかず...。外食店、居酒屋、ファミレス:夜間は
きらびやかなお店も夜は一変する。閉店後、空調を止め、次の開店までの夜間のバックヤード。そこは、強烈な悪臭。床、壁は、すべて、湿気と汚水、油汚れでヌルヌル、ベタベタ、ドロドロ。辺り一面、黒カビで真っ黒。散乱する残飯の破片、ホコリ、濡れた床...。視界の限りの汚れと湿気で息づまる。当然、夜間は大量のゴキブリとネズミの天下である。 それでも我々はそんなところで飲食せねばならないのだ。ネズミ撃退、ネコがいちばん安全で経済的
対策は、専門業者による駆除・薬剤散布、特殊な音波を発生する装置により駆逐する方法、殺鼠剤、粘着剤などネズミ捕り器 ― こんな方法があるとされている。
しかし、どれも高額であり永続性にとぼしい。さらに、ネズミの高度な学習能力により無力化するもの、薬剤が危険すぎることも見逃せない。なんでもかんでも新薬、これは、大間違いなのだ。耐性菌がパンデミックを起こし、猛威をふるえば、もう処置なしで制御不能だ。この分野では、いったいなにが起こるのか、だれも分からず予知できない。こんなリスクに足を踏み入れてはいけない。
街なかの公園などでは、児童のための砂場をネコに対して防護するネットなどを見受けるが、ネズミに対してはまったく無防備なのがまことに不可解ではある。ここも深夜はゴミをあさりに大量のネズミが集結している。のらネコを駆除している場合ではないのだ。
シカゴ・ビール醸造所、ネコ導入の成功例
アメリカ、シカゴのあるビール醸造所では、ネズミの被害に万策尽き、ついに数匹のネコを保護施設からもらい受けて住まわせることによって、ようやくネズミを駆逐したと報じている(← リンク)。ネコの移動時に発する音型(足音)、人間には感知できないネコの臭いなどにより、ネズミは「天敵」の存在を感知し、直ちに逃避行動を取るという。
オオカミの糞を上野動物園にもらいにくる農家
サル対策として
山村などでは近年、村里の人口減少などの理由でサルなどによる農作物被害が多くなっている。犬の放し飼いができなくなったせいでもある。これへのもっとも効果的な対策の一つは、オオカミの糞を農耕地に置いておくことだという。犬、オオカミは、サルの天敵なのだ。これで、サルは近づかなくなる。オオカミ、ライオンなどの糞は、サルを寄せ付けない。このように、自然の摂理のうちにあって対応をはかるのが、もっとも安全で安上がりなのだ。